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佳兆(かちょう)

37号から
 
佳兆編集長 杉浦 良幸
復元・七支刀フォーラム開催 〜東アジアの鉄・象嵌・文字〜
  平成十八年一二月三日(日)紅葉も終わりかけた穏やかな初冬、古都奈良の郊外、奈良テレビ放送(株)メインスタジオで「奈良テレビ放送文化フォーラム」が開催された。内容は奈良県の石上神宮に伝わる国宝「七支刀」このこの復元の試みから、製作技術、象嵌技術、及び刻まれている文字に関して様々なことが分ってきた。國平刀匠が、二五、六年以前から鍛鉄といわれている七支刀に疑問を持ち、鋳鉄による七支刀の可能性を考えてこられた。それが今回鈴木勉(工藝文化研究所理事長)その他の方々の協力により鋳鉄で復元してみる事になった。その結果多くの事を発見し、問題を提起することとなり、四世紀の鉄生産の技術だけでなく、文字や象嵌技術などにも新しい発見をすることとなった。そこで今回復元に携わった方々に集まっていただきフォーラム開催の運びとなった。内容は、その研究成果を報告するとともに、製作された四世紀の日本と東アジアの姿も考える、である。三部構成で行われたフォーラムは、奈良テレビ放送社長 弓場季彦氏の開会挨拶に始まり、司会に魚住由紀(フリーアナウンサー)、進行に鈴木勉があたり、以下の九名のパネラーが熱っぽく復元に際しての苦労話を交えながらそれそれ担当した内容を報告した。第一部は「鋳造復元」を、第二部は「象嵌・文字」について、第三部はパネリスト「討論」に続き「質疑・応答」をテーマに進行した。パネラーの方々、熱が入り、予定時間をオーバーし、進行役の鈴木氏を心配させるほど論説が展開された。パネラーの面々と報告内容は次の如くであった。森 正光(石上神宮宮司)−石上神宮と七支刀ー松田真一(橿原考古学研究所附属博物館館長)−七支刀の諸問題ー勝部明生(元・龍谷大学教授)−東アジアの刀剣−河内國平(刀匠)−復元研究のきっかけ・熱処理・仕上げ・古代刀の鉄−鈴木勉(工藝文化研究所理事長)−復元研究のきっかけ・東アジアの鉄・象嵌・文字−濱田與七・濱田善玲(鋳金家)−鋳造ドキュメント−奥村公規(金工作家)−仕上げ・かたち・象嵌技術について−松林正徳(彫金家)−象嵌技術について−以上九名のパネラーにより「国宝・七支刀」の復元過程の模様が熱っぽく論じられた。このフォーラムの内容は「復元・七支刀」(雄山閣)に詳しく纏められている。